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脊髄反射で旨いフグ料理


若大将からの一言

私が寿司ふじに入った20年前を思い出すと、「フグは上品な食べ方をするものであり、繊細な味付けが最高」というような雰囲気が全国を支配しており、今もなお、そのような雰囲気があります。以前は、寿司ふじも例に漏れずその流れに身を任せていました。

しかし、「固定観念に縛られてるのではないか?」と、考えるようになりました。フグと言えば、塩、ポン酢などあっさりした食べ方が定番です。こう言った味付けは、フグの儚い味を消さないようにするためのものです。でも、それが逆にフグの味付けや楽しみ方の発展を阻害しているのではないかと考えました。

それだったら、身を分厚くしたらいいんじゃないか?!その考え方はまさにビンゴ。グレードをアップさせ丸々と太ったフグを使ったコースの5品。そのなかで、3品は脊髄反射で旨いお料理(厚めの薄造り、焼きフグ、唐揚げ)となっております。あと2品(鍋と雑炊)はしみじみ旨いお料理となっております。


フグコースのお値段

(1)9,500円(税込1,0450円) 
上品なフグを、上品な食べ方で!
しみじみ旨いのではなく、脊髄反射で旨い!そんなお料理コースです。

(2)12,000円(税込13,200円)
「しみじみ旨いの最高到達点、焼き白子」が追加されます。
白子の仕入れ値により+500円させていただく場合があります。




お料理の内容
・薄造りは”厚め”が旨い 
「厚めのフグの薄造り」

・何か賞でも与えたい!大大将の発明
「皮が旨い焼きフグ」

・王道の塩を超えた味付けに到達!
「カマ肉とハラミの唐揚げ」

・しみじみ旨いの最高到達点(12,000円コースのみ)
*白子の仕入れ値により+500円させていただく場合があります。
「大きな焼き白子」

・突き出しはその時のええもんを!
「たとえば、テッピやバイ貝」(変更の可能性あり)

・プリプリの身が待ち受ける
「てっちり鍋」

・出汁に染み出した旨味を全部喰らう
「〆の雑炊」


<<「旨ければそれで良い」。確かにその通りなのですが、ぜひ知っていただきたいフグへのこだわり>>
寿司ふじの調理はご予約の前日から始まるのです!

1)提供のお時間から逆算してフグを〆る
フグというものはややこしい魚です。新鮮が一番!というわけでもなく、だからと言って熟成させすぎても独特の歯応えも楽しめないのです。つまり、〆てからの時間が大切な魚なのです。

寿司ふじでは、京都の中央卸売市場で泳がせていただいておりますフグをご来店の時間に合わせて〆ます。下の写真は、通常立ち入れない京都中央卸売市場の秘密の生簀です(写真は市場関係者にいただきました)。

2) 旨さを引き出すために1日必要:大切に紙を巻き、4℃の冷蔵にて熟成
〆た直後はほとんど味がなく、弾力がありすぎます。二日前でもダメで、当日でもダメなのです。4~5度の冷蔵にて大切に紙を巻き、骨を取らず1日保存します(骨を除くと身の弾力により縮んでしまいます)。高い温度でも低い温度でも身が白くなり食感や旨さがよくない方向に進んでしまいます。


ふぐコースの説明

●薄造りは”厚め”が旨い
「厚めのフグの薄造り」


「薄く切れないからじゃなく、旨いから厚く切ってるんや!」大大将からの伝言でございます。寿司ふじの薄造りのポイントは、「厚さ」と「つけダレ」にあります。

<<厚さ:厚めの薄造り、という矛盾>>
フグは薄めが良い。大大将もそんなふうに考えていた時期がありました。大大将は50年の間、冬のシーズンになると数十匹、いや百匹以上のフグを捌いていました。そうすると、さらにより上手く薄くきることができるようになりました。

しかしある時、大大将が疲れている時に厚めに切ったそうです。「失敗やな」そう思い、自分で食べてみると、「あれっ、こっちの方がうまいぞ」ということに気づきました。もっと厚くすれば旨くなるのでは?と思い厚くしていったそうです。やはり厚すぎると、フグ特有のコリコリ弾力のある身で顎が疲れるし、味も出にくくなる。最適な厚さを探そう!そう思いたって、色々な厚さを試して、行き着いたのが今お出ししている「厚めの薄造り」です。なんだか矛盾しているネーミングです。

<<つけだれ:アッサリでなく寿司ふじのやり口はコッテリ濃厚に!>>
ただ、これだけでは、厚めの薄造りは完成しません。その決め手は、ポン酢です。しっかりとしたポン酢とともに食べなければ、食べた後半にはフグだけ口に残り、味の要素やバランスが悪くなります。寿司ふじの自家製ポン酢にあるものを入れることによって、旨味、コクに加え、味が残りやすくしました。そのあるものとは、、、、ぜひ寿司ふじでお確かめください。

●何か賞でも与えたい!大大将の発明
「皮が旨い焼きフグ

「こんな焼きフグ食べたことない!」初めて寿司ふじのフグを食べていただいたお客様からしばしばいただくお言葉です!

その秘密は、大大将が気づいた「」の旨さと若大将が作り上げた「焼きたれ」にあります!そして完成したのが、どこにもない親子二代で作り上げた、焼きふぐなのです!

<<皮??そう皮です!:大大将の大発明!焼きふぐは、皮こそが旨い!>>
通常、焼きフグには、身の部分だけを使います。ほとんどの料理人がこの料理は完成だ!そう思っているに違いありません。しかし、この料理はその先がありました。それを大大将が見つけてしまいました。鍵となるのが「皮」です。しかも味わえる種類は3つも!(下の写真をご覧ください)こんな色々な個性があったなんて!と楽しんでいただけると思います!

<<焼きたれ:美味いタレではありません。”旨いぃぃタレ”です>>
若大将のタレは一味違います。試行錯誤を普通の醤油ではなく、もろみ醤油を使ったりだとか、みりんは10年熟成もものを使ったりだとか。しかし、旨くはなるのですが、何か足りない。。。しかしついに最後のピースを見つけたのです!甘味、風味が飛躍的によくなりました!それが、、、、ぜひ寿司ふじにて自らの舌で確かめてください!

●王道の塩を超えた味付けに到達!
「カマ肉とハラミの唐揚げ」

<<部位による違いを楽しんでいただきたい!「カマ肉」と「ハラミ」>>
牛と同じように、フグも場所により大きく味わいが異なります!この違いを楽しんでいただきたい、と思い唐揚げにはめずらしフグの「カマ肉」と「はらみ」を使います!カマ肉はふんわり、はらみはサクッとした全く違う食感で、常連様には「楽しい唐揚げだな〜」と褒めていただきました!

<<食べたことのない味付けを目指した結果、独自進化に成功しました>>
味付けフグの良さを引き出すために塩で食べるのが王道。確かに塩は流石においしいです。しかし、若大将曰く「なんか昔からの料理にあぐらをかいている気がする」と心機一転、新しい唐揚げに取り組んだのが10年前。

色々とおいしいものはできたのですが、王道にとって変わるものが、なかなかできませんでした。「なんで塩ばかりで食べさせるのかわかったわ。。。」あきらめていた、そのとき手元にある寿司ふじお手製の、とあるものと組み合わせたらいけるんちゃうか?とやってみたそうです。

作っている間、立ち上る湯気で確信したそうです。「王道を超えた!」と。紆余曲折ありましたが3年ほどの旅の末、出来上がった若大将自慢の唐揚げです。お料理の詳細は、お客様の舌でお確かめくださいませ。

●しみじみ旨いの最高到達点(12,000円コースのみ)
「大きな焼き白子」

寿司ふじのお料理の原則は「 脊髄反射で旨い料理」なのですが、その信念を曲げてまでお出ししたいのが「ふぐの焼き白子」です。しみじみ旨いの最高到達点です。天ぷら、蒸しなど色々な食べ方を模索しましたが、焼きが最高です!ほんのり香ばしい香りが食欲をそそります。

●突き出しはその時のええもんを!
「たとえば テッピやバイ貝」

こちらは時によりわかります。
テッピはコリコリして、焼きフグとは全く違います。通常ポン酢でさっぱりと召し上がると思いますが、寿司ふじではとあるものと一緒に食べていただき、コッテリと召し上がっていただきます!

バイ貝は、寿司ふじ名物になります。コリコリしてこちらも旨いです!テイクアウトされるお客様もたくさんおられるぐらいのめちゃうまバイ貝です。

●プリプリの身が待ち受ける
「てっちり鍋」

やっぱりてっちりは外せませんね。お野菜とともにぜひ食べてください。今まで「脊髄反射で旨いフグ料理」をお出ししておりましたが、やはりしみじみ旨い鍋も必要ですね。

●出汁に染み出した旨味を全部喰らう
「〆の雑炊」

旨味が溶け込んだ鍋の出汁を使って、雑炊にします。これで心と体を温めていただきたいと思います。

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