酒係の異常な酒
酒係の異常な情熱が生んだ”合わせ酒”
■■寿司ふじの酒 新章開幕「合わせ酒 其の壱」■■
2024/11/18完成しました。
始まりの物語:寿司ふじでしか飲めない酒を創れないか?その答えは日本酒のブレンド”合わせ酒”
お料理だけでなく、唯一無二のお酒も楽しんでいただきたい!しかし、そのようなものができるのか?自分で酒を醸すとお縄になってします。今ある手札の中で新しい味を創れないか?常々考えておりました。
一つの契機が訪れました。それは常連様から勉強のためにいただいた”IWA”と言う富山の日本酒を飲んだ時です。IWAは、ドン ペリニヨンで28年間、醸造最高責任者として務めたリシャール・ジョフロワによるアッサンブラージュ(複数のワインを混合し理想の味を組み立てる技法)された酒です。感動しました。おそらくは単一の酒では中々できない味と香りの構成だと思いました。
これは日本酒の幅を広げるのではないか?と考えるようになりました。例えば、ある特定の香りのするお酒は甘口に仕上がる傾向があると思います。酵母出す香りの種類と残存糖分(発酵力が弱いと糖をアルコールへ変換しづらいので、液体中に溶けている糖濃度が高くなる)には、関連性があります。ですので、そういった香りのお酒で辛口に仕上げるのは難しいのかもしれません。しかし、お酒を混合すれば、中々つくれない組み合わせも可能であると考えました。
寿司ふじでしか飲めない日本酒とは、日本酒を混合して作るアッサンブラージュのことで、ここは日本ぽく「合わせ酒」と名付けてみました。
色々試してみて、重要なポイントだと感じたのが、以下のことです。
1)どのような酒にしたいと言うイメージ
数多くの酒の中からスクリーニング的に混ぜ合わせることを考えると組み合わせが膨大になりすぎます。しかも組み合わせだけでなく、配分も変わりますので、それこそ無数の可能性が出てきてしまいます。このような酒にしたいなと言うイメージが大切です。
2)個性が強いお酒
しみじみ旨いわ〜という絶妙なバランス系の酒の組み合わせは、無個性の方向になりがちです。今回の「合わせ酒 其の壱 天明閏号x百黙」の組み合わせは以下の二つです
・「天明 閏号」~四年に一度閏年のみの純米大吟醸~
・「百黙」~大手が本気出した純米大吟醸さらに酒係が一年熟成!~
天明と百黙を1:4で混合することで酒係の理想の酒となったのです。
濃厚なパイナップルの香り系を持つ天明と、一年間寿司ふじで熟成され旨みが増強された百黙と言う個性が際立つ酒たちです。二つとも他では飲めない酒でして、天明閏号は生酒で放置しておくとどんどん質が低下していきます。寿司ふじでは「冷凍保存」をし完全に質をキープしております。また、百黙純米大吟醸は酒係が特別に冷蔵庫と室温を行ったり来たりさせて一年の歳月をかけて味を増強させたものです。こんな特別な二つの合わせ酒ですので絶対に寿司ふじだけでしか飲めません!
ちなみに、同一品目の二つのお酒を混ぜることで酒税法上大丈夫か?と言うことで税務署に問い合わせたところ、「酒税法、問題ない」と回答をいただきました。
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