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3~4月(2025年)のお料理

寿司ふじの代名詞「脊髄反射で旨い料理」。それは、口に入れたときに脳味噌を介さず、反射的に旨い!と唸る料理のことです。この道50年の”大大将”、脊髄反射で旨い料理に辿り着いた”若大将”、20年幹細胞を研究してきた”生命科学の研究者“の親子三人(詳しくはこちら)で創り出します。

<<目次>>

1)概要:3~4月のコース
2)コースお値段
3)人生を豊かにする追加料理
4)5000文字以上の異常な料理説明

新しい人生の扉が開く、、、
そこまでは言い過ぎですが、今季の「雲丹鍋」は人生の小窓ぐらいは開きます。
温めた雲丹の風味の破壊力に驚かれると思います。
そして、雲丹をさらに足していただき雑炊に。。。
これは極楽浄土の食べ物と言っても過言ではありません。

1)概要: 3~4月の特別コース

■■新しい雲丹の世界へ飛び込んでみませんか?■■
「無添加 雲丹鍋 ver.2」 
–>雲丹が苦手な方は”蟹増量蟹鍋”に変更可 (蟹出汁がなくなり次第終了)
■■極楽浄土の食べ物!■■
「追い雲丹!〆の雲丹雑炊」
–>600円追加でその分原価で雲丹増量
細胞が活きている赤貝&産卵を控えた今一番旨い桜鯛の刺身■■
春が旬!赤貝、桜鯛、黒鮪トロ」
■■鴨が行者ニンニクを背負ってやって来る■■
「行者ニンニクが好きすぎて仕方ない人間が追求した、鴨&野菜ブイヨンに希少な行者ニンニクの旨みを溶かしこんだ出汁を使い、さらにトッピングは追い行者ニンニクと炭火焼き茄子という“すき煮”」
■■今年もやってきた、春限定のご馳走■■
「子持ち本もろこ白焼き 最適10cmサイズ」
–>宇宙で寿司ふじでしか食べられない「生鰻の焼きしゃぶ」に変更可(+800円)
■■切り札は”幻の魚クエ骨出汁”■■
「桜蒸し」
■■科学者が本気出したシリーズ2の進化版■■
「半歩だけ進化した 胡麻豆腐」
■■希少な100年蜂蜜とヴィンコットに魅入られた酒係の甘味■■
「寿司ふじ流 豆花 & 中間体的苺ソルベ」
■■大大将、渾身の寿司■■
3~4貫 

2)特別コースお値段

以下の2つのコースからお選びくださいませ。

1)特別コース 12,900円 (14,190円税込)
–>最もコスパが良く、気合いが入った季節のコース
上記の写真の9品料理のコース
⚫︎オプション1 絶対のお勧め!600円分原価雲丹増量
⚫︎オプション2 寿司多め (1,600円)
⚫︎オプション3 焼き物変更:モロコ–>宇宙で寿司ふじだけしか食べられない「生鰻の焼きしゃぶ」(800円)
⚫︎オプション4 巨大フグの白子焼き 一つ追加: 大2,500円(100g前後 一人前)、超特大3,500円(180g前後 二人前)

⚫︎オプション5 雲丹の暴れ喰い (3,000~3,500円)
–>雲丹をこよなく愛する方のみクリックを!
罪悪感を感じるほどの雲丹!こだわりすぎたため、長文覚悟お願いします!


⚫︎オプション6 秘密の蟹料理 (一杯 原価+手数料2000円)
現在かなりお安くなっております!お値段は市場に問い合わせますので、お尋ねください。

 

2)お客様と酒係が相談させていただき創る、スペシャルカスタマイズコース 20,000~22,000円 (税込22,000~24,200円)
雲丹の暴れ喰い+ 蟹増量蟹鍋 コース+宇宙で寿司ふじだけの生鰻焼きしゃぶ を含んだコース
–>一例: メニューはこちらをクリック


注1)仕入れの関係で変更する可能性があります。
注2)食べられない食材がありましたら連絡ください。
注3)キャンセルポリシーはこちらをクリックしてください。

4) 異常な料理説明

■■新しい雲丹の世界へ飛び込んでみませんか?■■
雲丹鍋 ver.2

■要約:月に5~10件ほど問い合わせがくる雲丹鍋がversion2へ■■
多くのお客様からもう一回食べたい!いつ次は食べられるの?!という声をいただいておりました。ただカムバックしただけではありません!
改良ポイントは、以下の通り。
1)雑炊で使う、追い雲丹増量選択可能、2)鱧–>穴子へ変更(甘味がこちらの方が感じる)、3)海老の質アップ(食感と旨み増加)、4)白とり貝も参戦


■↓↓↓以下は前回の時の説明↓↓↓■■
「なんだ、この下品な鍋は!」と、某アニメの海◯雄山先生に激怒されそう、そんな鍋です。今回のお鍋、圧倒的すぎる雲丹感と節操なく旨いゆえの下品さ。しかしなぜでしょう?むしろ、そそられます。

<<研究ノート:究極の出汁の秘密は無添加の希少雲丹>>
お料理を作る上での問題
ほとんどの流通している雲丹はお鍋にすると”保存料のミョウバンの微妙な匂い”が目立ちます。それをいかにそれを克服するか
解決策
とても単純なのですが、超希少な「ミョウバン不使用の無添加の雲丹を使う(熊本天草)」ということです。そんなの誰にでも思いつくわ!と思われるかもしれませんが、あまりにも希少な無添加の雲丹でそんなできない!という心理的障壁を乗り越える覚悟が必要でした。

 

なぜこんなにも雲丹鍋が広まらないのか■■
ミョウバン、ミョウバン、うるさい!と思われたと推測します。しかし、ここに雲丹鍋が広まらない秘密があるのではないかと思っています。おそらく多くの料理人が雲丹鍋にトライしたと思います。しかし、一般的なミョウバン入りの雲丹を使って出汁を作ったところ、そのミョウバンの香りにより、これはあかん!と諦めた料理人も多いはず。中には無添加の雲丹を使えば、、、と思った料理人もいると思いますが、原価のことを考える正常で理性的な経営者にはこんなことできません。アホにしかできません!

しかし、若大将と酒係は旨いもんを作るためでしたらアホになれますので、罪悪感を感じながらも(下写真)、雲丹の出汁を作りました。

■再検討:最高に雲丹出汁に合う食材。しかし”巨大ホッキ貝”が至高■■
ではそれに合わす食材は?ということで、2025年再度検討しました。しかし、やはり至高の1位は「ホッキ貝」でした。しかし2位は 鱧–>穴子(すいません、写真は鯛になってます)で入れ替えです!甘みがいいですね〜。エビは甘エビ–>ぷりっとした海老に変更。白とり貝もええです。盤石です!

↓ボツになった食材↓
単体では激うまな雲丹出汁、しかし問題点が!雲丹鍋と合う食材は本当に難しかったです。「肉」は獣臭さが出てきますし、例えば「ハマグリ」のような出汁が出てしまうような食材ですと、雲丹の味が消されてしまいます。それにしても、世の中的に「うにく」なる雲丹と肉を合わす食べ方があるので絶対相性が良いと思っていたのですが、相性悪かったです。
●肉–>あかん。雲丹との相性悪し。野獣臭さが出現。
●鮑–>雲丹と鮑の風味が分離。
●蛤–>味がですぎで、雲丹の風味が消える
●みる貝–>みる貝がゴムみたいになり旨味消える

■■極楽浄土の食べ物!■■
「追い雲丹!〆の雲丹雑炊」

人生であと一度だけ雑炊を食べられるならば、これを選びます
「雑炊」というと、メインであるお鍋の余韻を楽しむもの。そんなふうに考えていた時期が酒係にもありました。この雲丹鍋の雑炊は、完全にメイン料理です。暴力的なまでの雲丹感、雲丹好きな方に絶対的おすすめです。

<<研究ノート:雲丹を超える雲丹味を感じる雑炊>>
お料理を作る上での問題意識
雑炊はお鍋の付属品、、、その概念を超えて傑作料理までにグレードに仕上げられるか?

その答え
傑作料理かどうかは、旨いという要素の他にどれぐらい他にはない個性で魅せられるか、ということだと思います。そして若大将と酒係が辿り着いたのが「雲丹を直接食べるより、雲丹らしい味」を味わうという考えです。そこでもし可能でしたら絶対のおすすめ↓

+600円の超おすすめ!濃縮した雲丹出汁に“大盛り追い雲丹”
雲丹鍋を召し上がっていただくと、自然と雲丹出汁の水分が蒸発して雲丹味が濃縮します。それにさらに無添加の雲丹を足します。そろそろ、これを読んでいただいておられますお客様も呆れていると思います。どんなけ雲丹が好きやねんと。しかも今回は大盛りを選択することができます!ぜひ危ない雲丹の世界へ!

細胞が活きている赤貝&産卵を控えた今一番旨い桜鯛の刺身■■
「赤貝、桜鯛、黒鮪トロ」

■■要約:今食べなければならない赤貝と桜鯛■■
春は貝のシーズン!赤貝が旨いです。このシーズンを逃すのは勿体無いです。鯛も桜鯛のシーズン!産卵を控えて旺盛な食欲になります。この時期の鯛が一番旨いという方もおられます。

■■食べ方は3種類:普通の醤油、磯醤油、塩酢橘■■
普通の醤油でも旨いのですが、全部醤油味というのも勿体無い。

そこで、貝の旨さが引き出される寿司ふじ独自の磯醤油。アオサノリの旨みを溶かし込み、やや甘味が強いお醤油です。その上さらにアオサノリをトッピングしております。強烈な磯を感じていただけます。

梅醤油は酸味もあり、鯛に合います。スッキリと食べられると思いきや、後から出てくる鯛の旨みが強調され、旨いです!

桜鯛には塩&酢橘です。特に塩はオーストラリアのシャークベイの塩。これは寿司ふじの大大将、若大将、酒係が入手できるありとあらゆる塩の中から選びました。高血圧の家系ですので命懸けでした。

オーストラリアの西側のシャークベイ(地上で初めて酸素を作り出したシアノバクテリアが作り出したストロマトライトという岩のような構造物が今もなお存在する)は世界遺産にもなっている場所です。その塩田で2〜3年ほどかけられて結晶化させられ作られた塩です。

■■この料理に合わせる酒:越前岬純米 シュタルクカイザー 袋吊り雫酒 100本限定■■

■■鴨が行者ニンニクを背負ってくる■■
「行者ニンニクが好きすぎて仕方ない人間が追求した、鴨&野菜ブイヨンに希少な行者ニンニクの旨みを溶かしこんだ出汁を使い、さらにトッピングは追い行者ニンニクと炭火焼き茄子という”すき煮”」

■■お料理の経緯:希少な行者ニンニク。そのポテンシャルを引き出したい!■■
行者ニンニク、山菜の中でもトップクラスに私酒係は好きです。大体は天ぷらとして調理されます。確かに旨いんですけど、行者ニンニクを愛する若大将と酒係としてはもっと旨くて面白い料理はできないか?と考えておりました。

ヒントは、意外なところに落ちておりました。

寿司ふじでは、この行者ニンニクを出汁醤油漬けにして、行者ニンニクを付け合わせとしてステーキなどと共にお出しさせていただいておりました。その時できた副産物である行者ニンニク出汁醤油が旨いんです。

行者ニンニクを漬けておくという行為がもしや新しい行者ニンニクの世界を広げるのではないか?と考えました。その結果が今回の「行者ニンニク × 炭火茄子 × 近江鴨 in すき焼き」でございます。

■■漬け出汁の完成■■
行者ニンニクには鴨が合う、これは以前からわかっていました。それなら鴨の出汁を作ろうということで、鴨ガラと野菜から取ったブイヨンの中に行者ニンニクをぶち込みました
ううううう旨い!これを広めたい!

テンション上がりました。今後は鴨がネギを背負ってくるではなく、鴨が行者ニンニクを背負ってくるに変えた方がいいと思います。

■■もはやこれも主役?近江鴨と行者ニンニクのエキスを吸った炭火焼き茄子■■
焼いた後の近江鴨と行者ニンニクのエキスがまた旨い。そんな宝の液体を捨てるということは料理人からすると許されるものではありません。ということで、ちょうど良い具合にエキスを吸う茄子をご用意させていただきました。しかし、それでは面白くない!ということで、炭火焼きのものを入れたところ、これは主役やろ!というものができてしまいました。


■■春限定のご馳走■■
「天然の子持ち本もろこ白焼き 最適10cmサイズ」

■■寿司ふじの天然本モロコ。なぜ旨いのか■■
毎年好評をいただいております、寿司ふじの天然本モロコ。
寿司ふじのモロコがなぜ旨いのか?まとめてみました。
1)コネクション
2)絶妙サイズ
3)一般的ではないですが、2度焼きすることにより旨み凝縮&香ばしさ倍増

■■最高の天然本モロコを、真野町の漁師さんに直接いただいております■■
若大将のコネクションで、「超絶新鮮(獲った当日入荷)」、さらに「絶妙サイズ(小さすぎるものは旨みが少なく、大きすぎるものは骨が気になります)」の最高の天然本モロコを入荷します。大津市真野町の知り合いの漁師さんに良いサイズのもの選んでいただいた後に、直送していただく極上物。

下の写真の真ん中の中サイズのものが、旨味が濃く骨も柔らかくて最高です。モロコを一箱買うと、どうしても色々なサイズのものが入ってきてしまいますが一番ええものだけお出しします。


■■少しの手間でさらに旨くなりました!一般的な方法(生ままモロコを焼く)のではなく、一度”白焼き”にしてから2度焼きが至高■■

最高のモロコを得たのなら、最高の食べ方で!ということで、一般的には生の状態のものを直接焼き仕上げるのですが、寿司ふじではさらに旨みと香ばしさを求めるために、軽く焼きます。臭みがとれ、香ばしさが増します。

■■切り札は”幻の魚クエ骨出汁”■■
「桜蒸し」

■■春を感じる王道料理。しかし、何かしたいとウズウズしてきました■■
寿司ふじもたまには王道の料理をします。今回は「甘鯛の桜蒸し」です。桜の葉から出る香りが春を感じさせます。通常は鰹出汁で餡を作るのですが、寿司ふじでは変わった方法で。それは「幻の魚クエの骨や頭を焼き、それから取った出汁で餡」を作ります。仕上げの「蒸している段階で甘鯛からも出汁がでます」。


■科学者が本気出したシリーズ2の進化版
「半歩だけ進化した、5秒後に味が開く胡麻豆腐」

■■概念変える系胡麻豆腐が、さらに進化して帰って来ました■■
1年前に寿司ふじが世に解き放った胡麻豆腐ですが、さらに改変を加えました。ポイントは3つ。1)香り高い胡麻に変更したこと、2)ペーストになるまで練った胡麻の量を増やしたこと、3)仕上げに瀬戸内金ごまという胡麻を一振りしたことです。地味にレベルアップしとります!


■■開発秘話胡麻豆腐を固める5種の粉を検討■■
旨い胡麻豆腐とは?を考えたときに、今ある胡麻豆腐の”改良”では、感動する胡麻豆腐を作れないと考えました。そこでまず、面白くて旨い胡麻豆腐を作るために、現状分析をしました。
●現状の胡麻豆腐–>「口溶けが”良く”、口に入れれば直ちに出汁と胡麻の風味が一体になる」このようなことが良い胡麻豆腐の要素だと思います。しかし、あえての逆を目指してみました。
●目的の胡麻豆腐–>「口溶けが”悪く”、出汁の味と胡麻豆腐の風味が分離している。しかし、次第に胡麻との風味が一体になり、味の変化が楽しめる」
 
今までにない胡麻豆腐を作るためには、今まで使われていない材料で作ることが必要であると酒係は考えました、そこで、使ったのが↓
・葛(滑らか。これで通常胡麻豆腐は作られる)
・わらび粉(プルプル)
・餅粉・白玉粉(伸びる)
・キャッサバ粉(ツルッとプルプル)
・米粉 (もったり)

■■この胡麻豆腐は、ノーベル医学・生理学賞の山中教授の仕事を参考にしました■■
とりあえず5つの粉(どれも固めるという作用があるのですが、異なる特徴がある)を単独で使ったものと、全部入れた胡麻豆腐を試作しました。なんと、5つの粉を入れると面白い胡麻豆腐が出来上がりました。しかし、少し粉っぽい味や固くなりすぎたりし、不必要な粉があることがわかりました。全ての組み合わせは30パターンあり、真っ当に全てのパターンをやっていくのは大変です。

そこで参考にさせていただいたのが、iPS細胞の作成者である山中先生の仕事です。この研究のハイライトは、多数の遺伝子を導入すると先祖返りをするが、真に重要な遺伝子はどれかを絞り込むことでした。そこで、多数の遺伝子を細胞に導入して、1つづつ不必要なものを除いていく、と言うアプローチでした。

胡麻豆腐に話は戻しまして、同様に4つの粉から、一種類つづつ、粉を除いていきました。すると、不必要な粉は、「もち粉」と「米粉」であることがわかりました。こうして、三種の粉を使って胡麻豆腐を作りました。混合比に関しては、若大将が職人のカンで、すぐに最適な比率を決定しました。完成した胡麻豆腐は控えめに言って至高です。

■■希少な100年蜂蜜とヴィンコットに魅入られた酒係の甘味■■
「寿司ふじ流 豆花 & 中間体的苺ソルベ」

■■今季デザートは二種:寿司ふじ流豆花&中間体的苺ソルベ■■
⚫︎寿司ふじ流豆花:
前の季節より「100年蜂蜜」という香り高い蜂蜜にハマっています。これを活かせないか?そう考えて完成したのが、台湾のスイーツの豆花(豆腐を甘いシロップに入れたもの)とモンゴルのスーテーツァイ(塩入りミルクティー)を組み合わせた、誰も食べたことのない、100年蜂蜜を使った豆花です。

⚫︎中間体的苺ソルベ:
酒係の個人的リベンジスイーツです。前期はスムージーを作りましたが、実際はこのソルベを作る段階にできた旨い副産物なのでした。あれから、さらに試行を重ね完成したのが今回の、温度帯が重要とわかるスムージーとソルベの中間体です。重要なのが温度です。がっちり固まったソルベは苺の香りや甘味が感じられにくいです。ですので、ちょっと溶けかけの甘味を感じやすい具合に仕上げました。さらに、前回同様スパイスで苺感を増強させ、さらに味を引き締めるためにヴィンコットという希少な調味料で〆る甘味です。

■■誰も食べたことのない、100年蜂蜜を使った豆花のシロップ■■
とある蜂蜜にハマり続けております。それが↓↓「100年蜂蜜」です。

オーストラリアのタスマニア島にしかないレザーウッドという木から取れる蜂蜜です。樹齢100年ほど経たないとしっかりと蜜を取ることができないという、焦らし系蜂蜜。今まで嗅いだことのない素晴らしい香り。それを活かすことができないか?と考えたのが今回の甘味です。

この甘味は台湾のスイーツの豆花(豆腐を甘いシロップに入れたもの)とモンゴルのステーツァイ(ヤギ乳の塩入りミルクティー)から着想を得たものです。スタンダードな豆花のシロップは薄甘い感じで絶妙に旨い。

しかし、この100年蜂蜜で同じようなものを作ったところ、メリハリがない味でした。何か良い案はないかと考えていたところ、以前に私が基礎生物学研究所にいたときの留学生に教えてもらった、ヤスーテーツァイを思い出しました。塩が入りヤギ乳の味が引き締まり、素材の甘味が引き出された個性的な飲み物です。これなら合うのでは?と考えて合わせたところ最高のものができました!

豆腐の検討ももちろんしております。結論から言うと、沖縄のジーマミー豆腐が最高でした。普通のお豆腐では豆臭さが足りないんです。枝豆で豆腐を作ってみたのですが、それもイマイチ。100年蜂蜜がやや強すぎるんです。ものすごく良い組み合わせを発見しました。

番外編
一応100年蜂蜜以外にも良い選択肢あるのではないかと、いろいろな蜂蜜試しましたが、やはり超える蜂蜜はなかったです(下写真:栗、ジャラ、ユーカリ、マカデミア)。

■■苺は温度帯が重要とわかるスムージーとソルベの中間体■■
前の季の甘味の、スパイスで苺感をアップさせたスムージーは大成功でした。しかし、本当はソルベを作る予定だったものでした。そこでリベンジです。最も検討したのが温度で、早くいえば「半分溶けている」状態が一番、苺の風味を感じ、果肉感も感じることができます。また、スパイスそして苺の風味を引き出すやり方はさらなる進化を遂げております(下参照)。

↓↓香辛料と味付けの調整↓↓
スパイスと一緒に食べると苺感が強くなることを発見しました。苺そのものを食べるより苺感を感じるという摩訶不思議な発見でした(さらに、最近苺は少し火にかけるとさらに濃密な香りを出すことを見出しました)。スパイスと言ってもなんでも良いわけではありません。かなり検討をした末たどり着いたのが以下の香辛料と調味料。

1)ホワイトバルサミコ酢極少量のバニラビーンズにより苺そのものより苺感が増強され、
2)森林のような爽やかなセイヨウネズの香りと苺の組み合わせが不思議な風味となり、
3)貴腐ブドウが原料のヴィンコットにより最後は渋みが出てきて甘味を引き締めます。

特にヴィンコットにハマっている酒係。色々と買い揃えてしまいました。
ヴィンコットとは、完熟した白ワイン用のブドウに貴腐菌が付着してできる特殊なブドウを原料とし、それを絞り・煮詰め・4年樽熟成させた希少な調味料です。
一番苺のソルベに合うのは、一番右のヴィンコットオリジナル。甘味控えめで渋みがあります。最後にこれで味を引き締めます。

さらに、もう一つ重要なスパイスを見つけました。「ヒハツ(希少な野生種)」という香辛料を知っておられますか?山椒、シナモン、白檀のような香りがある香辛料で、これを入れたところさらに良くなりました。ちなみに、こちらスリランカで取れた超希少な野生種です。

2025年3月19日アップデート
苺のさらなる良さを引き出す方法を発見しました。シンプルに「煮る」です。煮るとフレッシュな苺の香りから、妖艶な香りに変化します。この香りをさらに上乗せするために、フレッシュな苺と煮た苺両方を使います!

■■大大将の寿司■■

1枚目の写真は、通常のコースの寿司(3~4貫)
2枚目の写真は、寿司多め(6~8貫)+1,800円)

■■この料理に合わせる酒:澤姫 特別純米 IWC&Kuramasterダブル受賞!■■


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